防災クッキングの山本実雨さんからご報告

卒論の研究「防災クッキング」をお手伝いしたノートルダム清心女子大学の山本実雨さんからご報告の文章が届きました。

2022年9月24日、「こども防災クッキング」と称し、小学校1~6年生の子供たちを対象に希望者を募り、防災教育を行いました。この防災教育を行うきっかけとなったのは、自身の被災経験です。

私は群馬県太田市出身で、2015年に岡山県総社市に移り住んで来ました。小学4年生で東日本大震災、高校3年生で西日本豪雨を経験し、日本は災害の多い国であるということを実体験から学び、災害対策の重要性を考えるようになりました。

卒業研究として防災教育を行う上で、まず地域の防災の現状を知る必要があるため、2つの方法で調査を行いました。1つは総社市役所医療課や、総社市立昭和中学校、高梁市立高梁保育園や特別養護老人ホーム白和荘などを訪問し、行政や施設が行っている防災対策や地域の防災意識の傾向についてお聞きしました。

市役所や中学校で災害対策の現状に関してお聞きすると、西日本豪雨の経験を踏まえ、市や学校でも備蓄や避難訓練などの対策を進めていることがわかりました。また、行政として各家庭での災害対策は未だ不十分であると考えており、今後も広めていく必要があることがわかりました。

次に、防災に対する意識について、愛・絆 復興4年祭に来場した地域住民の方に向け、質問用紙でのアンケートを行いました。アンケート結果からは、災害対策は必要であると理解しているものの、なかなか実行に移せていない現状があるという方が多いことが見えてきました。

このような結果を受けて、各家庭での防災対策が強化されるために、子供たちに防災教育をすることが効果的であると考え、今回の「こども防災クッキング」を行うに至りました。この防災教育を行うにあたり、参加者の募集や当日のボランティアの募集、準備などで、大学の先生をはじめ、おかやま昭和暮らしプロジェクトの皆様、総社市立昭和小学校の皆様、総社市立昭和中学校の皆様、昭和公民館の皆様、大国屋の皆様など多くの方にご協力いただきました。

大きな問題なく無事行うことができたのは、皆様のご協力があったからこそだと実感しております。今回行ったアンケートや防災教育で得られた成果は、私の卒業論文として大学に保管されるとともに、私の研究を一部引き継いでくれるゼミの後輩が活用していきます。私の経験を踏まえてより良い防災教育を行うため、私も後輩の研究に協力していく予定です。昨年に引き続き、皆様には温かくご協力いただけると幸いです。